社会人基礎力の「シンキング(考え抜く力)」を鍛える講座 【思考例1】

社会人の「思考力」と単純に「考える」の違いとは?

 

SMARTERxSMARTERが行う「社会人基礎力講座」、どんなことをするかご紹介したいと思います。

私たちは、就活生向けや新入社員研修でニュース記事を使った「思考力」トレーニングを行ってきました。

「社会人基礎力講座」は、それを応用したワークを皆さまにも経験してもらうおうと企画したものです。

 

さて、私たちの考える社会人の「思考力」とは、単純に「考える」のではなく、深く、広く、「考える力」のことです。

 

基本的には、以下の3つのステップで記事を深堀していくトレーニングをしています。

Step1;対象とする記事の内容や背景などの整理
Step2;記事の中の注目するポイントや本質の検討
Step3;周辺領域への影響とビジネスとしてのチャンスやリスクへの考察

 

それでは、早速実際のニュース記事を使った課題と、そのニュースがどう読み取れるのかを見ていきましょう。

 

 

ニュースとして報道されている内容、ポイントを整理する

Step1;対象とする記事の内容や背景などの整理

 

少し古くなりますが、2015年7月16日に以下のようなニュースがありました。

 

「塾を優先」広がる宿題代行…文科省は困惑
学校の夏休みを前に、読書感想文や自由研究などの宿題を有料で丸ごと請け負う業者に注文が相次いでいる。塾通いで忙しい子供のために、学校の宿題の代行を依頼する保護者らが目立つという。:(元の記事を読む)

ニュース元:YOMIURI ONLINE

 

この記事の内容を改めて整理すると、例えばこちらのようになるかと思います。

 

・親が子供の夏休み等の学校の宿題を代行業者へ依頼するケースが増えている
・大学生の論文を代行するサービスも登場している
・就活生のエントリーシートを代筆するサービスも登場している
・規制法案がないため政府(文科省)として問題意識はあっても手を打てない
・このようなグレーゾーンにある、ニッチな新サービスが登場、拡大しつつある

 

だいたいこんなところでしょうか。

しかし、これではニュース記事の本質を捉えたことにはなりません。

記事のまとめで終わってしまっています。

 

 

「なぜ?」の癖をつけるようにする

Step2;記事の中の注目するポイントや本質の検討

 

内容を整理したら、このニュースの注目ポイントはどこに、あるいは何にあるのか?まで考えてみましょう。

そして、次にそこから見えてくる本質が何かまで検討してみてください。

 

例えばこの記事で注目すべきポイントは、以下のようなところです。

 

・現代の親たちは、塾での勉強/学習をメインとし、学校での勉強に関する必要性を低く見ている
・同時に、そのような塾通いをしている子供たちはかなりのボリュームの勉強を強いられている
・あるいはこのようなモラルハザード的な現象に対して行政機関として有効な手を打てない

 

そして、ここから読み取れる本質として以下があります。

 

・すべての家庭のこととは言えないが、かなり多くの家庭で塾優先の意識が高くなっている
・この背景には公教育としての立場に甘えた学校教育レベルの低下があるものと推察される
・いわゆる“ゆとり教育”に代表されるような教育政策に起因する根深い問題もある
・これは、教育機会の平等という本質、何が平等なのか?の選択でもある
(横並びで競争させない教育スタンスか、公平な競争による切磋琢磨させるスタンスか)

 

「なぜ宿題を代行業者に依頼するケースが増えている?」「なぜ政府は問題意識があっても手を打てない?」など、STEP1でまとめた内容について、「なぜ?」を繰り返していくことで、ポイントや本質に近づいていきます。

それでは本質と言えそうなものが捉えられたところで、最後のステップにいきましょう。

 

 

それを受けて未来は何がどうなるのか?

Step3;周辺領域への影響とビジネスとしてのチャンスやリスクへの考察

 

本質から想起される影響、変化としては次のようなことが考えられます。

 

・現状、公教育としての役割が、その本質とともに、かなり中途半端になってしまっている
・この点が社会的問題として認知され、是正、改善する動きが加速されていきそうである
・今後、公教育と塾教育による教育内容の棲み分けが過去と違う次元で進んでいく可能性がある
(もしくは一部に見られるような公教育への塾教育の融合へシフトしていく可能性がある)

 

したがって、ここから考えられる可能性としてのビジネスチャンスやリスクは、以下のようなこととなります。(もちろんこれだけが正解ではありません)

 

・英語、スポーツ等、民間の専門教育サービスが公教育に入っていくチャンスが拡大する
・学校教育現場へのICTの導入は、これら動きを加速させるトリガーになり得る
・いずれ、学校教育の仕組みが、百貨店やSCのようなスタイルへと変化していく可能性がある
(社会生活面を学校が教育、民間の学習サービスが、店子として教育サービスを提供)
・よって例えばバイヤーのような教育の内容・質に関する目利きの仕事が登場する可能性もある

 

どうでしたか?

なんとなくでも社会人に必要な思考力がどのようなものかイメージできましたでしょうか?

このように、あるニュースや出来事を起点に、深く、広く考えることで、未来にどんな変化が起こりそうか、予見や気付きが得やすくなります

これこそが、社会人に求められる「思考力」なのです。

 

 

重要なのは継続とフィードバック

 

このような「思考力」を高めるためには、読み流すだけでなく、深堀するトレーニングが大切です。

しかしその半面、トレーニングを継続するのは疲れるものです。

問題集を解くこととは違って、唯一の正解のない中での試行錯誤の繰り返しでもあり、これを一人で行うことは中々難しいでしょう。

そこで、できれば一人で考えるよりも他の誰かと一緒に訓練することをお勧めします。

トレーニングを継続しやすくなるとともに、多様な考え方をシェアできる点もメリットです。さらにはビジネスのコミュニケーション力向上にもつながることでしょう。

 

また、このようなトレーニングの継続や上達には、やはりメンターなどからのフィードバックがとても重要な役割を果たします

上達が数字では表しにくいからこそ、誰かからのコメントが指標のひとつになります。

とはいえ、まずはやってみないと始まりませんので、是非今日からでも目に付いたニュース記事を上のステップで深堀してみてください!

 

もしやり方がよく分からない場合は、「社会人基礎力講座」を定期的に実施していますので、こちらへのご参加も検討してみてください。